ミズイボの治療はどうするのですか? 下関 桃崎病院

ミズイボの治療に関しては、専門家の間でも意見の別れるところです。先の小さなピンセットやリングピンセットなどでミズイボを抓むと、てっぺんの凹んだ部分から小さな白い塊が出てきます。これが「ミズイボとり」と呼ばれる最も簡単で一般的な治療法です。イボと同じように冷凍凝固療法を行うこともあります。いずれも極めて有効な治療法なのですが、多くは子供たちである患者さんに、痛みや精神的苦痛を強いる治療法であることが欠点です。ミズイボが自然に治ることも多い病気であることから、時間は少しかかっても塗り薬などを用いた痛みの少ない方法で治療すべきだと言う考えや、放っておいてもよいと言う考えの先生もいらっしゃいます。
 私自身も状況に応じて柔軟に治療方針を決定するようにしていますが、様子を見ているうちに、ミズイボの数がとても多くなって結局「ミズイボとり」をすることになり、少ないうちにとっておけば痛みも少なくて済んだのにと思うことや、ミズイボの周りにできる湿疹がとても痒かったり、引っ掻いたりしているうちに湿疹がひどくなったり、伝染性膿痂疹(トビヒ)を引き起こしたりすることもあります。もちろん、他の子供たちにうつしてしまう可能性もあり、個人的な意見としては、なるべく数が少ないうちに治療した方が良いと考えています。
 最終的に、どの様な方針でミズイボに臨むかは、医師と保護者の考え方に依って決まります。通常、子供たちは自分で治療法を選べません。大人たちが十分に話し合って、責任をもって治療方針や治療法を選択してあげる必要があります。一日も早く「痛くないミズイボ治療法」を見つけることが、私たち皮膚科医の役目だと思っています。

監修

江川 清文先生 (昭和皮膚科クリニック 院長)

ミズイボの治療はどうするのですか?
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